オフィス(店舗)の新設や移転、改装を検討中の皆さん。 すでに内装会社をどこにするか決めましたか? 使いやすくするにせよ、おしゃれに決めるにせよ内装会社は重要です。 一見するとオフィスに、店舗に見えない変わった内装にする方も増えてきました。
では、電気工事業者についても決めましたか? もし、電気工事も内装会社に任せっきりなのだとしたら要注意。 電気工事は電気設備の専門業者に任せておくことをおすすめします。
内装会社に任せっきり…、だと思わぬトラブルに巻き込まれてしまうかも。 そこで、今回は電気工事を専門業者に依頼するべき理由についてご説明します。 電気工事を依頼するときのポイントや、注意点もまとめていますので参考にしてください。
冒頭で紹介した通り、電気工事を内装会社に任せっきりにするのは要注意。 では、なぜ電気工事まで内装会社に依頼すると要注意なのでしょうか?
オフィス(店舗)を新設や移転、改装ではまず内装を考えたくなるもの。
ただ、内装ばかりを考えるあまり、内部設備にまで目がいかないことに。 電気工事を始めとした、空間の核となる部分がないがしろにされがちです。
確かに、電気工事などは目につかないだけに、意識するのは難しいです。 内装会社でも対応はしてくれますから、つい任せたくなる気持ちも分かります。 しかし、内装会社はあくまで”内装”についてアドバイス、施工する会社です。
電気工事の専門家がいるわけでもなく、基本的に別の業者に外注することに。 皆さんと打ち合わせもしていない、第三者がまた聞きで施工する訳です。 正直、また聞きの状態で、皆さんの思っている通りに施工するのはまず無理でしょう。
内装会社だけに任せていては後々のトラブルのもとにつながるかもしれません。
オフィス(店舗)を内装会社だけに任せっきりにするのはトラブルのもと。 仮に、内装会社に総括を任せるとしても、電気工事業者とは打ち合わせするべきです。
電気工事業者には”電気工事士”や”電気主任技術者”、”建築設備士”などの有資格者が。 専門家と打ち合わせておくことで、両者のすれ違いをなくしてより良い環境が作れます。 できれば内装は内装会社、電気は電気工事業者と分離依頼するのがベストです。
内装は内装会社に、電気は電気工事業者に分離依頼すべきと紹介しました。 では、なぜ電気工事を電気工事業者に依頼すべきなのか理由をご説明しましょう。
電気工事業者に依頼することで、”費用を抑える”ことができます。 というのも、内装会社に任せるとすべての部材を一括発注することに。 実際の仕入れ値は安くなるものの、管理費等が加算されて高くなるのです。
また、皆さんから内装会社に、電気工事業者にと下請けが増えることに。 当然、中間会社(内装会社)が入ることでマージン(利ザヤ)が発生します。 少しでも工事費用を抑えたいのなら、分離依頼するのがお得という訳です。
”思い通りの工事になる”というのも、電気工事業者に依頼したならでは。 先述した通り、電気工事業者には”電気工事士”や電気主任技術者”などの専門家が。 営業担当にも電気工事の知識と経験があり、専門的な立場から相談に乗ってくれます。
仮に、皆さんがまったくの素人でも、専門家であれば状況に合わせたベストなプランを。 「ここに配置したら使いやすく」と、思い通りに近い工事プランを提案してくれるでしょう。 また、変更等が発生しても、電気工事業者と直接つながっていればすぐ対応してもらえます。
電気工事業者に依頼すれば、”信頼できる業者”を選ぶことも可能です。 内装会社だけに依頼すると、”内装において信頼できる業者”を選ぶことに。 決して電気工事に信頼できるわけではなく、どこか不安や不満が残ってしまいます。
その点、電気工事業者のみで比較、探せばより目的に近い業者を見つけやすいです。 電気工事業者としても少しでも顧客と近く、顧客に喜ばれる施工をしたいはず。 電気工事業者に依頼することは、皆さんだけでなく業者側にもメリットのある選択です。
”アフターケアも充実している”のは電気工事業者に依頼するからでしょう。 内装会社は内装が専門なので、どうしても電気については対応が不十分に。 内装関係のアフターケアは充実していても、電気関係にはないことが多いのです。 しかし、トラブルの起こりやすさ、危険度で考えるなら電気関係は大きいと言えます。
電気関係は見えないだけに発見しづらく、もし発見できても対応の難しいもの。 万が一、施工後にトラブルが起きたとして、アフターケアが不十分では危険です。 内装会社にせよ、電気工事業者に依頼するにせよアフターケアは確認してください。
費用面、安心面でも電気関係は電気工事業者に依頼すべきとのことでした。 では、実際に電気工事を業者に依頼するまでの流れについて見ていきましょう。
まずは電気工事業者に”お問い合わせ”をしましょう。 業者にもよりますが、メールやファックス、電話での対応が一般的です。 最近では自社サイト上にチャットシステムがあり、直接問い合わせられるとことも。
っている業者がいるならそこに、いないならネット検索してみるのが良いです。
お問い合わせしたら、業者の営業担当者から”訪問(ヒアリング)”があります。 お問い合わせの段階である程度の内容は聞かれますが、訪問ではより詳しく。 もしオフィス(店舗)がすでにあるのなら、現地を見ながらの相談も可能です。
営業担当に皆さんの要望を、分からないところをとことん伝えておきましょう。
訪問(ヒアリング)の内容をもとに、業者から”見積もり書”が提出されます。 見積もり書には大まかな施工内容、かかる費用や施工日程などが。 できれば3社以上から、少なくとも2社から見積もりを取っておくと比較できます。
見積もりまでは相談段階と、費用はかからないので積極的に依頼するのがおすすめです。
見積もり書に納得できたら契約し、より詳しい内容の”打ち合わせ”をします。 オフィス(店舗)の内装をどうしたいのかを踏まえて、コンセントや配線の配置をどうするのか。 すでにオフィスがあるのなら不満点をより詳しく伝えて、どう快適にしていくのかを話し合う訳です。
業者の提案に問題がなくなるまで、日程や費用に納得できるまで打ち合わせは続けます。
打ち合わせの内容に納得できれば、いよいよ”電気工事”が始まります。 すでに詳しいレイアウト(図面)ができているので、業者はその通りに進めるだけ。 しかし、作業員は人間なのでついうっかりでミスをしてしまう可能性は常にあります。
できれば終日立ち会うようにして、難しいようなら最終確認だけは立ち会いましょう。
電気工事(施工)が無事に完了したら、業者から”請求書が送付”され支払いに。 見積もりの段階から、施工完了後いつまでに振り込むように支持があるはずです。 皆さんにも都合があると思いますが、お金のことは最優先で処理しておくことをおすすめします。
業者とは今後も付き合いたいものなので、両者が気持ちよく取引できるよう配慮が大切です。
支払いまで完了したら、あとはトラブルが発生したときに”アフターフォロー”してもらうだけ。 業者によっては1カ月、3カ月、6カ月などの周期で訪問点検してくれるところも。 電気関係は素人目には分からないものだけに、専門家に点検してもらえれば安心です。
また、万が一トラブルが発生したときのために、担当者の連絡先を控えておくと良いでしょう。
電気工事は早くても1カ月、通常は2,3カ月かけて打ち合わせを進めます。 というのも、少しでも求める内容に近づけるため、予算とすり合わせるために。 あまり急いで決めると、後々トラブルや後悔につながるリスクがあるためです。 ちなみに、オフィス(店舗)にかかる電気工事の費用相場を以下にまとめました。
ただし、上記はあくまで費用相場と、業者によって設定は異なります。 安さだけにこだわっているところ、アフターフォローまで充実させているところなど。 サービスの厚みによっても、電気工事にかかる費用は変わってくるでしょう。
大切なのは見積もりに対して、皆さんが”納得できるのか”ということです。 まずは、気になる電気工事業者から見積もりを取ってみてください。 見積もりの内容に納得できれば前向きに、できないなら他の業者を探すだけです。
電気工事というのは小規模でも10万円前後、規模によっては100万円以上もします。 そこで、より信頼できる、納得のできる電気工事を依頼するためのポイントをご紹介しましょう。
電気工事業者に依頼するなら”営業年数”は注目したいところ。 というのも、築年数が長いほどに地域で、業界で愛されてきた業者ということ。 業界から、顧客から支持されない業者は生き残れないだけに営業年数は重要です。
もちろん、営業年数が短くとも、ただ新しいだけで素晴らしい業者もいます。 ”営業年数=信頼”とこり固まり過ぎず、あくまで1つの指標として。 地域の評判、ネット上の口コミなどと合わせてチェックしてみるとより良いです。
”営業担当者の営業スタイル”というのも電気工事業者に依頼するかに関わります。 その業者の方針にもよりますが、担当者によってはひつこいくらい営業してくることが。 たった1度、軽い気持ちで相談しただけなのに何度も営業されたのではたまりません。
正直、強引な営業スタイルを取っている業者というのは顧客ファーストではないです。 営業担当者とのファーストコンタクト、その後の営業スタイルが顧客に対する気遣いに。 「この人に任せたい」と思わせてくれる、気持ちの良い営業担当だとベストです。
電気工事業者に依頼する上で、”作業担当者の資格”は必ず確認しておいてください。 先述した通り、電気工事を施行するには”電気工事士”や”電気主任技術者”などの資格が。 万が一、無資格で施行すると”電気工事士法”に違反して刑罰の対象となります。
また、当然ながら無資格の作業員では、電気工事を安全かつ適切にはまず行えません。 電気工事は外からは見えないもので、適切に施行されていないと漏電などのリスクが。 過去にも漏電により発生した火災も報告され、あと一歩で大事故につながっていました。
”詳しい内容の見積もり”を取ることも、電気工事業者に依頼するなら大切です。 電気工事に限らず、工事に関わる見積もりというのは”概算(おおよそ)”で出されるもの。 正直、どこにどれだけの費用がかかり、業者の利益がどこにあるのかが見えてきません。
中には、同業者から見ても、あまりにも適当な概算を提出している業者もいます。 電気工事はちょっとしたものでも10万円ほど、規模によっては100万円以上もします。 少しでも安く抑えるため、納得して契約するためには詳しい見積もりは必須なのです。
電気工事業者に依頼するのなら、”料金設定のバランス”にも注意したいところです。 電気工事は相場が高いだけに、少しでも安い設定だとつい嬉しくなるのは確かです。 わざわざ10社近くから見積もりを取り、少しでも安いところを探している方も多いはず。
しかし、どのような作業にも費用がかかり、安くするほどに業者の負担は大きくなります。 つまり、あまりにも安すぎるところは、どこかに手抜きをしている可能性が高いということ。 安いことも重要ですが、適切な支払いが十分なサービスにつながっていることも知るべきです。
”営業担当のコミュニケーション力”も、電気工事業者に依頼するのなら見たいところですよね。 皆さん自身が理解していると思いますが、顧客というのは電気関係の素人です。 いくら書籍やネットでリサーチしたとしても、知識と経験において専門家には及びません。
だからこそ、窓口となる営業担当には高いコミュニケーション力が求められます。 気さくに話せる営業であれば質問しやすいですし、安心して手続きを進められるでしょう。 初対面での身だしなみ、挨拶などちょっとしたことからきちっとしているかは重要なことです。
電気工事業者に依頼するなら、”納得できる提案力”についても意識してみてください。 先述した通り、皆さん(顧客)というのは電気関係においてはまったくの素人。 営業担当からされる説明、提案によって考えが左右されることは珍しくないのです。
つまり、営業担当が皆さんの要望を聞き、いかに納得できる提案ができるのかということ。 業者側がしたい施行ではなく、皆さんが目指している結果に沿った提案ができるのか。 少なくとも提案に対して「ここはこういう理由で」と説明できる業者に依頼したいところです。
電気工事業者に依頼する1番のポイントは”信頼できるのか”ということ。 では、反対に電気工事を依頼するときの注意点について見ていきましょう。
電気工事を依頼するときは、”コンセントは多めに設置”しておくことをおすすめします。 オフィス(店舗)にはOA機器を始め、様々なコンセントを必要とする機器があります。 新設や移転、改装当初は気に入っていても、将来的はレイアウトを変更することも。
変更したときにコンセントが少ないと、必要なところに足りないことになるかもしれません。
電気工事を依頼するときは、”複数社から相見積もりを取る”ようにしましょう。 相見積もりとは複数社から、できるだけ同じ条件で見積もりを取ること。 条件が同じなだけに比較しやすく、より納得のできる業者を選べるという訳です。
できれば3社以上から、少なくとも2社から見積もりを取っておくのがおすすめです。
電気工事を依頼するときは、”鉄筋コンクリートはやり直しできない”ことを知っておいてください。 一般的には電気工事の後に、内装を始めとした設備等工事が行われます。 木造であれば手直しできるのですが、鉄筋コンクリートだと手直しできないことも。
コンクリート内に配管が埋まっていることも多く、より注意して進めていく必要があるのです。
電気工事を依頼するのなら、将来的な”拡張性”にも注目してレイアウトしたいところです。 では、最後に電気工事を依頼する上で、知っておくと役立つQ&Aについてご紹介します。
電気工事を依頼する前に、まずは”電気容量をチェックすべき”と言えます。 というのも、オフィス(店舗)によっては対応している電気容量に違いがあります。 一般的な機器だけならまだしも、業種によっては特殊な設備を入れる必要が。
より大きな容量でないと稼動させられず、営業自体できなくなることもあるのです。 オフィス(店舗)を探す時点で、不動産会社に欲しい容量を伝えておくと安心です。
電気には”単相3線式”と”三相3線式”の大きく2種類があります。 単相3線式とは一般的なもので、家庭はもちろん小規模店舗に使われているもの。 三相3線式(動力)とは営業向けで、店舗やオフィスなどの多くはこれです。
三相3線式の魅力は電力が大きく、業務用として電気代が安くなりやすいということです。 しかし、契約内容や使用状況によっては電気代が高くなる可能性も考えられます。 使用する機器や状況を踏まえて、契約する電気会社と相談して決めるのがいいでしょう。
電気工事の依頼は”少なくとも3カ月前、できれば6カ月前”からをおすすめします。 どのような業界にも繁忙期があり、依頼が集中すればスケジュールが取りにくく。 スケジュールが合わなければ、希望する業者から依頼を辞退される可能性があります。
ちなみに、電気工事の依頼は2,3月のように4月スタートに向けた引っ越し時期。 10,11月のように新年に向けてなど、何かの節目に集中する傾向です。 もし電気工事の予定があるのなら、早すぎるとしても相談だけはしておくのがいいです。
今回は、電気工事を業者に依頼するべき理由と、依頼するときのポイントについてまとめてみました。 電気工事を専門業者に依頼するべき理由は以下の4つ。
電気工事は専門知識が必要なだけに、専門業者に依頼しておかないとトラブルのもとに。 内装は内装会社に、電気工事は電気工事業者に分離依頼するのが安心です。 また、電気工事を専門業者に依頼するポイントは以下の7つ。
特に、営業担当とは施工前、施工後と長く付き合うことになります。 「この人に任せたい」と思える、信頼のできる担当者のいる業者に依頼するべきです。 ちなみに、業者を選ぶときは少なくとも2,3社から”相見積もり”を取るようにしましょう。
ぜひ紹介した理由、ポイントを参考にして安心のできる、納得できる電気工事を依頼してください。